ラ・コート・オー・ザンファン
貴重な区画
こちらはアイ村郊外に位置する急斜面の丘で、村からブドウ畑の中央に小さな白亜の崖が見えます。完璧な方位に位置するこの面積わずか4ヘクタールの区画は、20世紀初頭にジャック・ボランジェによって、50人以上の所有者に分割されていた土地が忍耐強く再建されたものです。
「ラ・コート・オー・ザンファン(子供たちの丘)」の名前の由来は諸説あります。子供たちがブドウの木の新芽を採りに行っていた場所という説もあれば、急斜面で作業できるのは俊敏な子供たちだけだったという説もあります。また、悪天候で流された土を運ぶ重い籠を抱えてこの斜面を永遠と登った女性たちが、この丘を「ラ・コート・オー・アンフェル(地獄の丘)」と名付けたという説もあります。
新しい栽培技術の象徴
10年の間に、ボランジェのブドウ畑全体で栽培技術が発展し、環境への影響を抑えるための自主的な取り組みが行われました。
ラ・コート・オー・ザンファンは特にこれらの進展の恩恵を受けました。ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズと同様に、ボランジェがより環境に配慮した方法でブドウの質を向上する実験を行った象徴的な区画の一つです。
除草剤の使用を中止したことで、機械による除草が復活し、この傾斜地では熟練の職人が引き馬の助けを借りて丁寧に作業を行っています。この代用的な方法には、土壌を保護し、植物を守るという2つの利点があります。また、ボランジェは新たな標識柱の設置にあたり、生物多様性を促進する木製の支柱の再導入と生け垣の導入を行いました。
2015年、シャンパーニュ・ボランジェはラ・コート・オー・ザンファンで、ブルゴーニュの最高級クリュを生み出す、全房発酵(vendange entière)を取り入れました。この古来の手法は、ブドウを茎ごと容器に入れて発酵させるもので、ピノ・ノワールに適しており、ワインにアロマティックな複雑さと骨格をもたらします。
ボランジェでは、ラ・コート・オー・ザンファンの最高のブドウから卓越した赤ワインを生産しています。非常に限られた量で、最高のヴィンテージに捧げられます。